海野つなみ先生の「後宮」を読みました。
鎌倉時代後期、
後深草院二条が自身の人生を赤裸々につづった日記
「とはずがたり」を独特な目線をお持ちの海野先生が描いた、
宮廷ロマンスです。
「後宮」で検索して下さいね。
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後宮 のあらすじ
四歳で院御所に引き取られた二条が、
十四歳で女官として出仕するところから物語は始まります。
二条の母は大納言典侍といって、
後嵯峨院の息子である後深草院の性教育係でした。
11歳で夜の手ほどきを受け、
母親のように優しく慈しんでくれた典侍大を、
少年は恋慕うようになります。
ですがその恋が叶うはずもなく、
典侍大は久我雅忠の妻となり娘を産みます。
父親にうとまれ、帝の地位を追われた後深草院は、
せめてもの救いを典侍大の娘に求めます。
源氏物語にならいまだ四歳の二条を手元に置き、
吾子と呼んで育てたのです。
そして典侍大の娘は十四歳になり、
二条という女房名で出仕するようになりました。
その頃、二条は幼馴染の西園寺実兼と、
ひそかに文をやりとりする仲でした。
実兼にはすでに北の方がいましたが、
二条にも求婚をしていたのです。
この当時は妻を何人も持つことが当たり前だったからです。
二条も実兼を憎からず思っていたので、
いずれは…というような心持ちでした。
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後宮 のネタバレと感想
ところがここに、
二条の裳着が済むのを心待ちにしていた人物がいます。
もちろん先帝の後深草院です。
二条の父と図り、
半ば強引に二条を自分のものにしてしまうのでした。
二条は十四歳ですよ。
そして後深草院は二十九歳。
自分の意思とは関係なく、
結婚しなくてはいけないんですよね。
貴族の世界は大変です。
さて、強引に結婚させられた二条は、
後深草院の後宮に移り住みます。
後宮にはすでに正妃である東二条院を含め、
五名のお妃方が住んでいました。
当然、女同士の戦いが水面下で行われているようです。
二条が他の女性たちにいじめられないよう、
後深草院は二条以外の女性のもとへもまめに通います。
他に頼るものがない二条にとっては、
それは心細く寂しいものでした。
そうこうしている内に後深草院の父である法皇が亡くなり、
政局も変わります。
結果、後深草院は政権レースからはじきとばされてしまったのです。
そして同時期に二条は懐妊します。
ところがさらに、
二条の父が亡くなるという出来事が二条を襲います。
つまり、夫は政局からつまみ出され、
後ろ盾だった父も亡くなり、
夫の愛情もいつまで続くのかわからない不安を抱えたまま、
出産しなくてはならないのです。
そこへ折りよく西園寺実兼から二条を気遣う文が届き、
またふたりはひそかに文のやりとりをするようになるのです。
このあたりで1巻は終わりますが、
この後二条は実兼とも、
後深草院の弟の亀山帝とも情をかわすことになります。
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後宮 まとめ
まるでドラマようですが、
実際の人物が書き記した日記をもとにしてるんですよ。
すごい人生を送った方ですね。
原作もぜひ読んでみたいと思います。
「後宮」は5巻で完結しています。
華やかな宮廷の中で、
自分に正直に生きようとした二条の男性遍歴を描いた、
実際にあった物語です。
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