野崎ふみこ先生の
『「ぜんぶ忘れ、た。」』を読みました。
ヒロインの前に、12年前に相手の一方的な理由で別れた元恋人が突然現れ、
とある理由から同居生活を始めるというストーリーです。
一言で表して「切ない」物語でした。
読んでいてつい涙がでてしまいました。
作品は落ち着いた雰囲気で、ヒロインが34歳ということもあり、
大人の女性向けという印象です。
「「ぜんぶ忘れ、た。」」で検索して下さいね。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
「ぜんぶ忘れ、た。」 のあらすじ
34歳で大手出版社に勤める立石月子(たていしつきこ)は
勤続12年のバリバリのキャリアウーマン。
美容師である母と、
その母のもとに美容師見習いとして来ている
いとこの夏彦(なつひこ)の三人で暮らしています。
ある日、月子の前にある男性が現れ、月子は動揺します。
その男性は大学時代の恋人で、
12年前ほかの女性と結婚するからと
一方的に月子を振った垣内空(かきうちそら)だったのです。
無駄なものがないシンプルな画風が
物語の雰囲気と合っていてよかったです。
キャラクターの心情が大切に描かれていると感じました。
突然現れた空はなぜか月子の母と意気投合、
月子の家に居候すると言い出します。
おまけに「妻とは離婚して月子に会いに来た」
「月子に会いたかった」といわれ、月子は感情を爆発させます。
「会いたくなんかない」「さっさと消えて」と
怒鳴り家を飛び出す月子。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
「ぜんぶ忘れ、た。」 のネタバレと感想
その後ふらりとかつて通っていた大学に立ち寄った月子は、
当時教わっていた教授に会います。
そしてその教授から、
空が癌で余命1年だと知らされるのです。
空の病気について知った月子は、
空との同居を受け入れますが・・・。
空の病気のこともですが、
月子のことが気の毒でならないです。
それでも前向く姿は大人の女性の強さを感じて憧れますね。
12年前空が月子と別れたのは、
空の浮気相手が「子供ができた」と空を騙したからでした。
月子はすべてを知ったうえで自分が
空を愛しているのだという気持ちを受け入れ、
空の最後の時間を共に過ごすことを決めます。
そして、「空との子供が欲しい」と願うのでした。
正直言うと、読み始めたときは空のことが
腹立たしく思えて仕方ありませんでした。
一方的に月子を振ってほかの女と結婚しておいて、
12年も経ってから突然現れて「愛してる」だなんて。
そもそも結婚に至った理由ももとはと言えば空が原因ですし。
いくら「余命1年」といえども月子の気持ちはどうなるんだと感じました。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
「ぜんぶ忘れ、た。」 まとめ
でも、理不尽なことは34歳の月子なら重々感じているでしょうし、
それでも空のことが好きだという気持ちが抑えられなかったのだと思います。
じっくり読んでいくうちに12年前の後悔も感じられ、
切なさに涙が出てきてしまいました。
大人の純愛を感じられて、結末はわかっていても何度でも泣ける作品でした。
この作品は全2巻で、完結しています。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら