紡木たく先生の
「瞬きもせず カラー版」を読みました。
山口県のとある町に住む高校生たちの恋や葛藤などを描いた
青春グラフィティの傑作です。
「瞬きもせず」で検索して下さいね。
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瞬きもせず のあらすじ
テニスがしたくてこ県立高校に入った小浜かよ子は大人しい雰囲気の女の子。
高校までは自転車で40分の距離です。
かよ子の家の方までくると本当にのんびりとした田園風景が広がります。
3世代同居で兄弟は4人。
家族の仲は良く一番末っ子のかよ子は子ども扱いされていて、
かよ子にとってはそれがもどかしくもあります。
ある日、授業中に前の方から手紙が回ってきました。
Tシャツ型に折りたたまれたその手紙はかよ子宛で、
そこには好きな男はいますか?と書かれてありました。
中学の時にはそんなやり取りもなかったので、
こういう高校生っぽいことにも慣れないといけない…と、
かよ子は真面目に返事を書きました。
その手紙は席を伝って前の方へ。
手紙は廊下で待っていた他のクラスの生徒に渡っていきましたが、
その時前のほうの席に座っている紺野君と目があいました。
紺野君とは時折、目が合うことにかよ子は気づいていました。
それがきっかけで紺野君のことをなんとなく意識するようになっていったかよ子。
夏祭りも紺野君のグループと一緒に行くことになりました。
そんなある日、屋上へと呼び出されるかよ子。
呼び出したのは紺野君でした。
「付き合ってほしーんやけど」
時間がとまるような瞬間ですよね。
ドキドキしながら「はい」と返事をするかよ子。
初めてのお付き合いをすることになりました。
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瞬きもせず のネタバレと感想
その日の事を何度も反芻しながら家に着いたかよ子を
家族が待ちわびていました。
1番上の姉が帰ってきていて、
みんなでレストランに食事に行くことになったのです。
人前でも大きな声で話し笑う、にぎやかな恰幅のいい父と一緒で、
かよ子はなんとなく恥ずかしさを覚えていました。
するとそこのウエイターとして働く、紺野君の姿が…。
かよ子はびっくりしますが、姉が父に結婚したい人がいる…
という話を持ち出します。
驚き、思わずビールをこぼしてしまう父。
紺野君はすぐ来てくれて笑顔でビールをふいてくれました。
ところがこの出来事はかよ子にとってショックだったのです。
紺野君の前で父がビールをこぼしたこと…
思春期の女の子にとってこんな恥ずかしい事ってないんですよ。
しかも付き合って…と言われたその日に…。
後日、学校から紺野君が家まで送ってきてくれた時も
一升瓶をぶら下げた父に出会ってしまったりして、
かよ子は何となく紺野君に幻滅されたんじゃないかと気にするようになります。
夏祭りの日が来てみんなで楽しい時間を過ごしても、
紺野君とはうまくしゃべれません。
そして帰る時間になりました。
かよ子は父が駅まで迎えにくることになっていました。
紺野君は駅まで送ると言ってくれたのですが、
父に紺野君を会わせたくないかよ子はちょっと強い言い方で断ってしまいます。
それをきっかけにして紺野君とかよ子は学校でも話さなくなってしまいました。
かよ子は別れるというつもりではなかったのですが、
紺野サイドではかよ子は紺野君の事を嫌がっているのでは…
という憶測が流れてしまっているのです。
それからしばらくの間、元に戻りそうで戻らない、
近づきそうで近づかない日々が続いていきます。
目が合えばお互い嬉しそうなのに、
お付き合いというものから一歩ひいちゃっているのです。
しかし紺野君と仲直りをするきっかけをくれたのも他ならぬ父でした。
家でやる花火にたまたまそこにいた紺野君を誘ってくれたのです。
父と笑顔で話す紺野君を見て、かよ子はほっとするのです。
そして帰り道で、父を紺野君に会わせることが恥ずかしかっただけなのだと…
紺野君に関をきったように話をするのです。
恥ずかしいけど、それでもあの人はうちのお父さんなのだと。
紺野君はわかっちょる…と優しく言ってくれました。
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瞬きもせず まとめ
思春期ですよ、青春ですよ。
家族が恥ずかしくなっちゃう事ってありますよね。
この先、進路の事なども色々出てくるようですが、
二人で手を取り合って乗り越えて欲しいですね。
「瞬きもせず カラー版」は7巻まで出ています。
1987年当時に読んでいた方はぜひもう一度読んでいただきたい作品です。
私は今回久しぶりに読み返してみて、当時とは全く違う感動を覚えました。
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