海野なつみ先生の
「小煌女」を読みました。
地球がその他の惑星と交流を持つようになっている架空の世界で、
地球の上流階級向けの女学校を舞台に、
下働きの少女とある惑星の王女との交流を描いたファンタジーです。
海野なつみ先生といえば、新垣結衣さんと星野源さんのドラマ
「逃げるは恥だが役に立つ」の原作者でもありますね。
「小公女」のSF版という今作ですが、海野なつみ先生の初の長編作品だそうです。
そうとは思えないくらい厚みのある物語で、
シンプルな作画ともマッチしていて楽しめました。
「小煌女」で検索して下さいね。
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小煌女 のあらすじ
時は宇宙時代、太陽系惑星地球では地球そのものが一つの連邦国家となり、
ヨーロッパ州やアジア州など6つの州に分けて統治されていました。
そのうちのヨーロッパ州英国自治区ロンドンにある寄宿学校・ベネディクト女学校には
各州から上流階級の子女が学びに来ています。
そこで住み込みで働くハウスメイドのサリーは、
掃除に洗濯、食事の用意と働き通しの毎日を送っていました。
サリーに悲壮感がないのがいいですね。悲劇のヒロインという雰囲気はありません。
そんなある日、テハン星系惑星トアンの王女・ジノンが
ベネディクト女学院へと留学してきます。
実は近親婚が認められているトアンでジノンの婚約者でもあった弟が暗殺されてしまい、
「体のいい亡命」として地球へとやってきたトアン。
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小煌女 のネタバレと感想
そんなことは露知らず、女学院の生徒たちは王女が学友となるということで浮足立ちます。
ハウスメイドのサリーも、ジノンの凛とした雰囲気と労働階級だからと差別しないし
姿勢に惹かれていきます。
そんな時、ジノンの母星・トアンでの内乱のニュースが入ってきて・・・。
キャラクターたちそれぞれが個性豊かで良かったです。
「この子がヒロインなら違った視点で楽しめそう」と想像できました。
女学院での物語ということで、読み始める前はよくある少女漫画を想像していましたが、
いい意味で裏切られました。
上流階級と労働階級の間に生じる差別や、
キャラクターたちの闇の部分というか本音が描かれています。
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小煌女 まとめ
個人的にはケイトリンという生徒がよかったです。
彼女は中産階級の娘なのですが、だからこそ「私は上流階級の子たちの仲間なのよ」
という意識が強いのか、労働階級であるサリーをいびります。
でも、誰よりも階級にこだわるそんな自分が恥ずかしいとも思っていて、
上流階級にのし上がることでそういった後ろめたさからも開放されたいと願っているのです。
こんな風に人の暗い部分まで鮮明に描かれていて、
すごく深いストーリーでした。
全5巻という絶妙な長さで、思わず一気読みしていました。
恋愛要素もありますが、どちらかというと人間ドラマという感じで、
女性だけでなく男性も楽しめる作品だと思います。
この作品は全5巻で、完結しています。
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