原作:小川洋子先生、漫画:有永イネ先生の
「最果てアーケード」を読みました。
この漫画は主人公である「わたし」が大家を務める、
アーケードの中で起こった様々な人生ドラマを描いた漫画です。
「最果てアーケード」で検索して下さいね。
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最果てアーケードのあらすじ
この漫画は、
主人公である「わたし」が
一匹の仔ツバメの亡骸を見つける所から話が始まります。
「わたし」が亡骸を見つめながら
「よくここに戻ってこれたね。おかえりなさい。」
と亡骸に対してまるで生きているかのように
話しかけるシーンがとても印象的でした。
「わたし」はツバメの足に
くくりつけられていたレースを持って、
アーケードの中にあるレース屋さんに向かいます。
レース屋さんはそのレースを見て、
「勇敢なる仔ツバメのレース」
と名付け棚に飾ります。
私はここまで漫画を読み進めてみて、
この漫画が一体どういうシナリオ展開なのか
全く検討がつかない、と正直思いました。
しかし漫画の中で「わたし」が発した
「人間生きてる人より死んでる人の方が多いんですから
死者の持ち物がたくさんあるのも
別におかしくないんじゃありません?」
に代表されるような
妙に心に突き刺さる言葉の数々によって私は、
作品の中核がいまいち掴めないながらも
どんどんページを進めることができました。
そんなアーケードにある日、
自分のことを「衣装係」と名乗る女性がやってきます。
彼女は有名な舞台の衣装係を生業としており、
衣装係として精一杯美しい衣装を作り続けてきたものの、
常に光を浴びるのは役者であり、
衣装係である彼女にはまったくスポットが当たらないという現状に、
徐々に疲れ果てていきました。
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最果てアーケードのネタバレと感想
ここまで読んでみて、
これは現実にも当てはまることだなぁと思いました。
日の光を浴びないのはしょうがないことなのだ、
と必死に自分に言い聞かせていても、
やはりスポットを浴びたいと思うときはあるし、
なによりせめて自分の一番大事な人にだけは
認めてほしいと思うことは、
この漫画の世界だけに留まらず
現実でも言えると思います。
彼女はきっと自分の仕事が大好きだったはずなのに、
仕事以上に大好きな人が衣装係である彼女に
見向きもしてくれなかったことによって、
衣装係である自分まで
どんどん嫌いになってしまったのだと思うと、
胸が締め付けられました。
最後のシーンで「愛ある衣装係のレース」
が棚に飾られるシーンでは、
決して直接的な描写はないものの、
最初の仔ツバメのシーンを思い出して、
あぁ彼女は亡くなったんだ、
とちょっと物悲しい気持ちになりました。
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最果てアーケード まとめ
最初は読み進めていても
全く話の大筋が見えないのですが、
読み進めるにつれて序盤感じた違和感が
徐々に解きほぐされていくため、
何度も読み返してやっとストンっと心に落ち着く漫画でした。
「最果てアーケード」は六巻まで出ています。
この漫画は決して甘くはないけれども、
自分の人生、生き方をちょっと振り返るきっかけになる漫画でした。
「最果てアーケード」で検索してみて下さい。
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