河惣益巳先生の「玄椿」を読みました。
京都・祇園の清白屋の芸妓・胡蝶は、
京舞いの天才で都一の名妓と呼ばれてます。
上方歌舞伎・名優七代目・若宮虹四郎の御曹司、
虹之助こと周一は、そんな胡蝶に一目出会った時から虜に。
京都の祇園で繰り広げられる芸と恋と、
それにとどまらない奥深い豪華絢爛な世界…!
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玄椿のあらすじ
上方歌舞伎の名女形・五代目北浜京治郎を父にもち、
母は名妓・相模という、
幼い頃から舞の才能のみせてきた胡蝶。
成長するに伴いその両親から授かった天分、
舞の才能・実力・姿に、
舞踏会の誰もが次代の我が“家”のために、
欲しい!欲しい!と羨望の的。
そして彼女自身もまた、
自分の舞を継ぐ子が欲しいと、
父となる男性を求めるのです。
一見すると皆己の欲望のために
動いているようにも見えるのですが、
実際はそんな単純なものではなく、
芸の世界に生きるものとしての、
ものすごく一本気な性質といいましょうか、
一本筋の通ったものがあります。
皆この世界で生き抜いていくため、
家をつなげていくため、
より良い芸の域を目指さんとするがため、
自分たちが生きる世界のために、
一個人の思いなど超越していてそれを誰もが当たり前としているので、
一種独特の正しさを持った世界観が作られていると感じました。
祇園の茶屋・清白屋の主人の寧井恵慈は、
胡蝶こと結花が兄はんと慕う“旦那”。
“兄”であり“夫”であり“主人”であり“後援者”、
この世にただ一人、
彼女にとってなくてはならない人間。
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玄椿のネタバレと感想
その正体はまだよくわからないところがありますが、
なんとも魅力的なヒトです。
なにより胡蝶を本当に大切に思っているところが良し!
対して周一の方は、
まだまだ未熟さが目立ちますが、
他の人にはない純粋さがいいですね。
誰よりも胡蝶の心を欲しいと思っているのだから。
“舞い”自体が神仏とをつなぐ媒体みたいなもん、
という表現が興味深いです。
心霊的な要素を絡めて物語が展開していくのも、
なかなか面白いと思いました。
そしてそれを表現するのに適している
描写の書き手さんだとも思えます。
多少なりとも誇張した表現もあるようですが、
芸妓さんや舞妓さんのこと、
祇園のことなど一般の人には普段あまり縁のないところの様子が、
この作品を通してうかがい知ることができるのもいいですね。
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玄椿 まとめ
連綿と受け継がれてきた歴史は重く、
それぞれの名称などは格式高くも感じられますが、
とてもわかりやすく描かれていると思います。
ちょっとクセのある絵柄ではありますが、
読んでみるとスッと入ってくる読みやすさもあります。
「玄椿」は6巻で完結しています。
「玄椿」は芸に生きる人々の雅やかな生き様を垣間見れる作品でした!
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