宇佐美真紀先生の
「春行きバス」を読みました。
バスにからんだ恋愛模様を描く、オムニバスストーリーです。
「春行きバス」で検索して下さいね。
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春行きバス のあらすじ
【バス酔い少女と自転車少年】
東京から大阪に引っ越してきた女子高生、志穂。
自転車に乗れないため、
学校へはバス通学をすることになりました。
ある日、バスに併走して走る自転車の男子高校生と目が合いました。
バスが揺れた拍子に頭をガラス窓にこつんとぶつけた志穂。
男の子はプ、と吹き出しにっこりと笑います。
翌日もやはり同じ時間に自転車に乗る彼と遭遇しました。
前をまっすぐ向いて自転車に乗っている彼を見て、
志穂はこっそり窓ガラスをこつんとたたきました。
心の中で「おーい」と呼びかける志穂ですが、
その時ちょうど男の子がこちらを見て目がばっちり合ってしまうのです。
あわてて目をそらすものの、
もう一度外を眺めると男の子は真顔でペコっとお辞儀をしました。
なんだか嬉しくなって、
軽く手を振ると彼も笑って手を振りかえしてくれます。
その日以来、彼はバスの横に来るとブタのミトンや変顔で、
外から志穂を笑わせてくれるようになりました。
ある雨の朝、いつもより込み合うバスの中で
志穂は自転車の彼を車内で見かけます。
ですが名前も知らない彼に話しかけられるものではありません。
人混みにまぎれていますが、志穂はどきどきが止まりません。
あの男の子が同じバスの中にいる、
というだけで胸がいっぱいなのです。
可愛い話ですね。
外の彼と中の彼女が目が合っただけで恋心めいたものを感じてしまう、
少年と少女の淡い気持ちが丁寧に描かれていてほんわかします。
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春行きバス のネタバレと感想
バスの中で初めて自転車の彼と遭遇するものの、
話せないまま志穂が降りるバス停まで来てしまいました。
慌てていたため取り出したパスケースを落してしまい、
それを拾い上げてくれたのがあの自転車の彼でした。
真っ赤な顔で慌てて受け取り、バスを降りる志穂。
今度会ったら話しかけようと決意を固めるも、
次の日から晴れが続き自転車の彼は
きっとバスには乗らないだろうと志穂は落胆します。
ところが、彼はバスに乗っていたのです。
そして志穂に話しかけてくれたのです。
ところが、そこへ彼と同じ高校と思われる女子高生がやってきて、
彼を無理やり自分の座席の隣に座らせてしまいます。
そして大きな声で、最近このバスに
東京弁の女の子が乗ってて感じ悪い、
というような事を話すのです。
そして東京の女の子はちょっと苦手だ、と言ってしまう彼。
あちゃ~言ってしまいましたね。
志穂も聞いてしまいましたよ。
東京から引っ越してきた志穂ちゃんが…。
そして志穂が降りるバス停につき、
志穂がふたりの前を通り過ぎたとき、
女子は志穂を指してあのコが東京弁のコだと彼に教えるのです。
その時の彼の慌てっぷりはものすごいのですよ。
志穂はやはり声をかけなくて良かった…
とうつむきながら思うのです。
まだ…恋とかじゃないし…。
次の日は時間をずらして1本早めのバスに乗ることにします。
ところが雪で道路は渋滞。
時間を早めたのに、結局自転車の彼に出くわしてしまいます。
彼は必死にバスに併走しながら、ペコリと頭を下げてくれました。
それはまるで、昨日はごめんなさいと言っているかのようで…。
志穂は思わず次のバス停で降りてしまいます。
そして初めて自己紹介をするふたり。
自転車の彼は、松本聡君という名前でした。
かわいい2人ですね。
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春行きバス まとめ
ショートストーリーの話は良く読みますが、
こんなに良くまとまってる作品には中々出会えません。
短いページ数の中で出会いからトキメキ、すれ違い、
仲直りまでをよく無理なく成立させたなぁと思うのです。
この本には他にも3本のショートストーリーが載っています。
どれもかわいいお話ですよ。
「春行きバス」は4巻まで出ています。
ピュアな出会いにきゅんきゅん出来る素敵な作品集でした。
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