安田弘之先生の
「ちひろさん」を読みました。
ある日、ふらりとやってきた元風俗嬢と
町の住人たちとのハートウォーミングな毎日。
「ちひろさん」で検索して下さいね。
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ちひろさん のあらすじ
町の小さな弁当屋で働く“ちひろさん”は元風俗嬢です。
本名は別にありますが、あえて“ちひろ”という源氏名で通っています。
客あしらいも上手く、聞き上手で彼女はたちまち弁当屋の人気者、
そして町の人気者になっていきました。
彼女にとって男も女も老いも若きも関係ありません。
相手が誰であろうと対等なのです。
ある日、ちひろさんは防波堤で
ホームレスのおじさんが子供達に石を投げられているのを見かけます。
すぐに子供を追い払い、残り物の弁当をおじさんにすすめると、
自分は隣に座りビールをプシュっと開けます。
そしてつらつらと弁当屋の話をし始めるのです。
ここの弁当が美味しい訳やら、
一緒に働いているおばちゃんの梅干しが美味しい話。
そしておじさんを自宅に連れて帰るとお風呂に入れてあげました。
ぴかぴかになったおじさんとまたビールで乾杯。
再び、深夜の徘徊に戻っていったおじさんの後ろ姿を見て
「深い、深いわ~」としみじみとつぶやきます。
安田先生といえば「ショムニ」ですね。
同じように正論を吐く美人さんなのですが、
ちひろさんはあえて元風俗嬢というガウンを着せることで、
町の人たちや読者からの目線をやわらかくしているような気がします。
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ちひろさん のネタバレと感想
ちひろが世話をしたホームレスのおじさんはその後、
散りゆく桜の下で死んでいるのをちひろ自身が発見します。
おじさんの冷たい体を抱きながらちひろは、
静かにはらはらと涙をこぼします。
自分でもどうして、
名前も知らないこの人のために泣いているのかわからないままに。
そして喪服に身を包んだちひろは
おじさんの亡骸をかついで山に登り、
スコップで穴を掘りひとりで埋葬するのです。
全てが終わり静かに手を合わせるちひろ。
それが犯罪であり、刑法にふれることを
同じコマでモノローグとして流しています。
ちひろがそれを犯罪だと認識しているかどうかはわかりませんが、
それがもしそうだとわかっていたとしても、
きっと彼女はそうせざるを得なかったのではないかと思います。
町で、ホームレスが一人いなくなった事を騒ぎ立てる人は誰もいません。
梅雨が過ぎ、夏が来ても…。
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ちひろさん まとめ
深い、深いわ~。
安田先生の絵は大好きですね。
シンプルで少女漫画ちっくな絵ではないからこその、説得力があります。
この前作が「ちひろ」上下巻で出ているようで、
そこから全巻読みたくなってきました。
ショートストーリーの話がたくさん載っていますが、
中でも私はニューハーフのバジル姐さんのお話が好きです。
「ちひろさん」は5巻まで出ています。
ちょっと落ち込んだ時に読みたい、温かく優しい気持ちになれる作品でした。
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