藤沢もやし先生の
「17歳の塔」を読みました。
中高一貫の女子高の5年目。
新学期が始まり、
クラス内序列のかけひきは水面下で始まってる。
その頂点に君臨するのが高瀬理亜。
自他ともに認める学校一の美人の子。
そんな理亜に憧れていたという小田嶋美優は、
犬みたいに後をついてきて何かと世話を焼いてくれます。
だから理亜は美優を気に入ってたんだけど、
次第に何かが変わっていくのです…。
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17歳の塔のあらすじ
私はこの女よりは上、
でもこの女よりは下。
学校生活において
それは死ぬほどどうでもよくて、
でも死ぬほど重要なこと。
この教室(しゃかい)で1年間
平穏に暮らすためには―。
冒頭から物凄ーくよくわかるぅ!
と共感してしまいます。
きっと誰もが大なり小なり、
この感覚がわかるのではないでしょうか。
スクールカーストなんて言葉が今はありますが、
おそらく昔から組織内の序列意識のようなものがあったように思います。
容姿端麗の理亜はその社会の一番上にいて、
思いのままに生きることを許されている…、
と本人は思っています。
女子校育ちの理亜、
女だけの社会は意外と快適で、
男がいないから美人でも嫉妬されないし、
むしろ皆から憧れの存在として慕われて今まできました。
新学期になってその取り巻きに加わった美優。
ちょっとドジだけど素朴で素直な美優は、
喜んで自分の下についていると思っていた理亜ですが…。
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17歳の塔のネタバレと感想
モデルのオーディションに
応募し続けている理亜は落選続きで、
不機嫌なことも多くわがままも目立ちます。
美優はといえば最近なんだか垢抜けてきた感じに。
理亜とずっと一緒にいるから今じゃけっこう有名人で、
いつの間にかクラスにも馴染んでいます。
そんな美優を疎ましく思い遠ざけた理亜。
わがままに振る舞い続けてきただけの理亜に対し、
ドジだけど何にでも一生懸命取り組んで、
スポーツも頑張り近頃は生徒会の仕事も手伝うようになった美優。
そうして自分の努力で少しずつ世界を広げていった美優は、
やがて理亜をもう憧れの存在とは見なくなるのです。
そんな美優には皆が羨むような彼氏もでき、
焦った理亜が「あたしたち友達でしょ?」と言った時…。
笑顔で美優が「なに言ってんの?」
と言うシーンにはゾクッとしてしまいます。
「イタいんだよ高瀬さん」と言われ美優に殴りかかる理亜。
そして。
クラス内での理亜の立ち位置は一気に変わってしまうのです。
今まで散々皆からチヤホヤされていたのに、
今度は誰からも嫌われてしまい、
どんどん際限なく落ちていってる感覚に恐怖し、
いっそこのまま消えてなくなってしまいたいと思う理亜。
逃げ出そうとした理亜に
美優が笑顔で「ばいばーい」と告げたとき、
普通ならここで理亜の心が折れてしまっても不思議じゃないんですが、
彼女は思いとどまるのです。
ちょっと凄い!
皆の意識の中にある
この“塔”の中の自分が消えることはないと悟るのです。
自己愛と劣等感で積み上げられた、
教室の中にそびえ立っている高い高い塔。
教室の机を渦固く積み重ねたような画からは、
その崩れやすい脆さも伝わってくるようです。
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17歳の塔 まとめ
思春期の学生にとって、
学校やクラスといった狭い世界は彼女たちの全てなんですよね。
そこで歯を食いしばる理亜が印象的でした。
結構ドロドロした世界だとも思いますが、
画はかわいらしくてクセがなく、
さらっと読みやすかったです。
「17歳の塔」は4巻まで出ています。
「17歳の塔」は学生時代のダークサイドを誰もが思い出すような作品でした!
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