会田薫先生の
「太陽を堕とした男」分冊版1を読みました。
長州藩の志士、赤根武人が
最後の時を迎えるまでを描く幕末絵巻です。
「太陽を堕とした男」で検索して下さいね。
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太陽を堕とした男 のあらすじ
慶応元年十月末、京にある六角獄舎にひとりの男が訪ねてきます。
その男の名は新撰組参謀 伊東甲子太郎(いとうかしたろう)。
伊東が訪ねた先は長州藩元奇兵隊隊長 赤根武人です。
赤根は、すでに長州を見切っていると言います。
長州は後先考えず暴挙を繰りかえし、
正義をはき違えているのです、と。
当時、長州藩では高杉晋作が
武力で事を推し進めようとしていました。
赤根の考えはこれと違っていたのですね。
伊東はそんな赤根に対し、
広島での長州との会談に一緒に同行するように言います。
そこで長州の内情を探るのが仕事だ、と。
幕府のために尽力します、
と頭を畳にこすりつけんばかりにひれ伏する赤根。
釈放といえども、貴様らの命は
われわれの手の中にあることを忘れるなよ、
と赤根の頭を伊東は足で踏みつけます。
赤根は本当に幕府側のスパイになったのでしょうか。
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太陽を堕とした男 のネタバレと感想
牢に戻される赤根のうつろな目の中に映るのはただ一人、
高杉晋作の姿でした。
伊東が赤根の耳をかみちぎるシーンがあるのですが、
ひどく印象的です。
お前は幕府の犬になったんだと、
そういうことを分からせるためにやったのでしょうか。
そんな事くらいで志は変わらないように思えますが、
何にしても痛そうです。
場所は変わり、伊東と実弟の鈴木三木三郎が京の町を歩いています。
伊東は新撰組に籍を置き、攘夷(外国をうちはらうこと)
には賛成しつつも、近藤勇らが考える佐幕(幕府を支持すること)
には反対だったのです。
どうにかして近藤を佐幕派から勤皇
(朝廷のために幕府を倒す活動)へと塗り替えたい伊東は、
牢で会った赤根を使って長州の勤皇志士と接触したいと考えています。
鈴木は、兄である伊東が京を離れている間に
土方を始末しておきましょうか、と言いますが、
おまえの手に敵う相手ではないと言われてしまいます。
伊東甲子太郎という男は、
新選組に入った時にはすでに佐幕ではなく
倒幕思想を持っていたのです。
そしていよいよ、赤根は伊東と新選組局長の近藤勇、
そして渕上郁太郎と共に京から広島へ向かう船に乗るのです。
その夜、船の中で赤根は久しぶりに夢を見ます。
自身を光の世界へと導きそして
暗黒へと突き堕とした男、高杉晋作の夢を…。
分冊版1はここで終わりますが、すごい!面白くなってきましたよ。
人物相関図を頭に入れつつ読むとさらに理解が深まります。
赤根は高杉晋作と志を共にしていたのに、
それが時代の中で考えが違ってきてしまうのですね。
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太陽を堕とした男 まとめ
そして最後には長州の裏切り者として
処刑されてしまうのですが、
そこに至るまでの人間ドラマが濃厚ですよね。
しかも史実というところがまたすごい。
これは、早く続きが読みたいです!
「太陽を堕とした男」は分冊版で4巻まで出ています。
歴史を学ぶ学生さんから大人の方までぜひ読んで頂きたい作品です。
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