吉野朔実先生の
「少年は荒野をめざす」を読みました。
この漫画は、主人公である狩野都が、
幼い頃から狩野の心に棲み続けている少年に
そっくりな男性に出会うことで、
今まで止まっていた時が静かに動き始める様を描いた青春漫画です。
「少年は荒野をめざす」で検索して下さいね。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
少年は荒野をめざす のあらすじ
この漫画の主人公である狩野都は、
黙ってさえいれば美少女なのですが、
彼女自身は女ではなく少年でありたいと考えているため、
言動にどこか少年っぽさを併せ持った
不思議な雰囲気の女の子です。
彼女はクラスの中で、
「3千メートル自由形の王者」
と呼ばれているそうですが、
まさにその名前にふさわしく、
その発言や行動は自由気ままです。
都は暇さえあれば小説を書いているため、
めったにクラスメートと話そうとしないのですが、
ムードメーカーの小林と容姿端麗な理論派な管楚、
この二人だけは一緒にいると居心地が良いと感じているため、
3人合わせて浅葱中の名物トリオと呼ばれながら、
学校生活を楽しんでいました。
しかし、彼らは現在中学三年生、
いつまでも自由に学校生活を楽しんで
いられるというわけでもなく、
進学か就職か、否応なしに現実を突きつけられる日々の中、
彼女はなりたいものやほしいものが一切見つからず、
周りは次々と進路を決めていく中で、
彼女だけが全く決まらずに時が過ぎていきます。
私は漫画を読み進めている中で、
都は一見現実に向き合わず
何も考えていないかのように見えるのですが、
実際はその逆で、
真剣に本気で自分の人生について考えているからこそ、
進路に関して「これだ!」と思えるものが見つからず、
結果的に何も考えていないように
周りに受け取られてしまう人物なんじゃないかなぁ、と思いました。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
少年は荒野をめざす のネタバレと感想
段々と成長を重ねるにつれて、
周りの環境に影響されずに
のんびりと自分の将来について思案できる機会は減ってくるので、
都のように進路が決まらないなぁ、
とぼんやり考えていられるのも、
なんだか中学三年生らしいなぁと
ちょっとだけ微笑ましく思えました。
都はもともと乗り気ではなかったのですが、
周りからやたら勧められるため高校見学に行った所、
彼女よりちょっとだけ年上の黄味島陸という男性に出会います。
都は陸を一目見た瞬間、
彼こそが都が昔から
「自分はこうありたい。」
と考えている少年にそっくりであると気付き、
心を動かされます。
彼女は彼の側にいることで、
少年でありたいと願っていた自分の願望が
満たされるような思いになり、
この日常がずっと続けばいいと考えていたのですが、
菅楚から「女の子として」好きだ、と告白され
徐々に自分は少年ではなく
女であるということを嫌でも
意識させられるようになるのです。
この漫画はまさに中学三年生独特の感情を、
上手に表現しきった作品だと思いました。
自分の中では「自分はこうでなきゃいけない」
という確固たる自分像を持っていても、
それが周りの自分に対する評価と食い違うと、
それだけでずっと考え込んでしまったり、
塞ぎ込んでしまうところは私も都と似た所があるので、
私自身の中学三年生の頃のことを
思い出しながら読み進めることができました!
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら
少年は荒野をめざす まとめ
「少年は荒野をめざす」は六巻で完結しています。
この漫画は、
大人になってはもう二度と味わえないような、
そんな決して甘くはない青春を描いた漫画でした。
スマホの方はこちら
パソコンの方はこちら