竹内七生先生の
「住職系女子」を読みました。
住職である祖父の後を継いだ麻生美鶴は、
いきなりできた弟と、祖父とで暮らしています。
まだまだ住職になって日が浅い美鶴は、日々勉強。
弟育ても毎日試行錯誤。
そんな住職系女子の毎日はいかに?!
「住職系女子」で検索して下さいね。
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住職系女子 のあらすじ
住職には珍しい、女性住職の麻生美鶴。
家を捨てた父の代わりに、
祖父と共に真厳寺で住職として毎日務めています。
最近、母親違いの弟、律と一緒に住み始め、
まだまだ心の距離がある様子。
美鶴が手を挙げたり、律にさわろうとすると、
身構えてしまうところから、
律は母親から暴力を受けていたことが伺えます。
そんな日々で迎えた彼岸。
美鶴のもとに、よく知る亡くなった陽介おじさんの娘二人が、
お墓を移したいとやってきます。
おじさんはよく先に亡くなったおばさんの墓にやってきて、
「ここを離れたくない」
と言っていたのを聞いていた美鶴。
お墓を移したいという娘さんに強い口調で言い返してしまいます。
上手く二人の気持ちに沿えない美鶴をたちなめる祖父。
そんな中、お墓参りに行くと、
陽介おじさんの友達が次々にやって来て、
娘たちに、まるでそこにおじさんがいて会話をしているかのように、
おじさんの話をします。
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住職系女子 のネタバレと感想
そのやり取りを聞いた娘は、
おじさんに対する気持ちを改めて自覚し、美鶴との話の中で、
お墓を移す時期を考えることにします。
こうして、また一つ住職として成長した美鶴。
一方、弟の律は、新しい学校での生活が始まります。
友達のいない律に声をかけてくれたのは、
同じく住職の家庭の息子、正やん。
正やんは自分たちのグループで遊ぶときに、
律に声をかけてくれますが、
ほかの友達に、グループに入れるなら、
試験を受けないといけないと言われます。
この試験とは、町の守り神、
白石水神の滝をぐるっと一周するというもの。
いざスタートするという時、友達に腕を引っ張られ、
一瞬母親のフラッシュバックになってしまった律は、
反射的に友達を押してしまいます。
そのことで、友達をかばって滝に落ちた正やん。
何があったか訪ねる美鶴ですが、うまく答えられない律。
また美鶴も丁寧に聞き出してあげることができません。
もどかしい美鶴ですが、
自分が悪い子だと滝に再度向かった律と、もう一度話をして、
距離を縮めた二人。
そして、次に美鶴に訪れた難題は、
中絶手術をした女子高校生の心。
彼氏の子供を中絶した女子高生結愛は、
両親とも彼氏ともうまくいかなくなったのは、
自分の殺してしまった子供が成仏してないからだと
毎日たくさんのお菓子をお地蔵さまに供えにやってきます。
彼氏にも別れを告げられ、橋から身を乗り出し、
そこへだれかの手が背中に触れそうになった時、
律が通りがかり、声をかけます。
律は見えないものが見える力を持った人のようですね。
まだ本人には自覚はないようですが。
美鶴のもとにやってきた結愛に、
結愛の子どもは、結愛を恨んではない、
悪霊にしてしまっては可愛そうだと言います。
その言葉で、自分の子供の供養を、子ども為に、
心からしてあげたいと思った結愛は、
自分の家のお墓のある寺で供養をすることで、気持ちを整理します。
こうして、日々成長する美鶴。
そんな中、父親を町で見かけたと言われ動揺する美鶴。
父親に対する気持ちが溢れなかなか整理がつきません。
それでも、周りの人のお陰でなんとか父親への思いを自覚し、
認めることができた美鶴。
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住職系女子 まとめ
いよいよ、お彼岸をむかえます。
お彼岸でもまた色んな出来事が?!
美鶴は、お坊さんということで、見た目女性か男性か判断しづらい容姿ですが、
不器用だけど、心根の優しい魅力的な人です。
傷ついた子どもの心理や、親を思う子どもの思いが丁寧に描かれていて、
読んだ後、心が温かくなる、そんな作品でした。
「住職系女子」は6巻まで出ていて、完結しています。
この作品は、仏教の世界観を描きつつ、
そこでおりなされる人間模様を丁寧に描いた作品です!
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