大谷博子先生の「星くず」を読みました。
まるで彗星のように、光り輝き、あっと言う間に消えてしまった彼。
その光を愛し、消えてもなお追い続けた少女の生きる姿を描いた作品。
進学校に通う由布子は、入院した病院で、難病と戦う宏司と出会う。
その病気の重篤さとはかけ離れた奔放な宏司の生き方に、目が離せなくなる由布子。
距離を近づける二人の一方、宏司の病気は徐々に宏司の身体を蝕んでいき・・・。
その生きざまを心に焼き付け、由布子は新しい道へと懸命に進み始めます。
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星くず のあらすじ
病院でも問題集が手放せない由布子。
彼女は進学校に通っていますが、病気にかかり、入院しています。
自分だけ取り残されてしまう・・・。
そんな焦りから、病人とはいえ、
ベッドでゆっくりするなんていう気持ちにはなれないようです。
そんな由布子は、病院の庭でバイクで突っ込んできた男性とぶつかります。
彼は長くてカーリーな髪の毛で、まるでロック歌手のような出で立ち。
自由な振舞いにカッっとする由布子ですが、
彼が白血病で、あと一年の命だと聞かれます。
しかし、そんな身体であることが、ウソのような、奔放で明るい宏司に、
今を犠牲にして、勉強ばかりしている自分の生き方を考えるように。
宏司の元を訪れるようになる由布子。
同情はいらないという宏司に、由布子は好きだと伝えます。
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星くず のネタバレと感想
宏司のための涙は、一粒もこぼさない・・・と約束する由布子。
そんな二人をお構いなしに、宏司の病魔は進行していく。
来る日も来る日も苦痛に耐える宏司の痛ましい姿。
一度は父の反対を受け宏司と会えない日が続きますが、
母の協力もあり、宏司の元にまた毎日通う由布子。
宏司の体調もやや安定を取り戻します。
宏司との日々の中で、由布子は看護師を目指すことを決意。
最後の穏やかな日々を過ごす二人。
しかし、吐血により、また悪化する体調。
宏司は、由布子に好きだと伝え、学校から帰るのを待っている・・・
と言う言葉を最後に、帰らぬ人となります。
星屑となった宏司に、看護師になることを誓う由布子。
看護学校に通い始めた由布子は、そこで宏司と同じ病気のまゆちゃんと、
彼女の面倒を一人で見る兄と出会う。
宏司と同じ病気ということで、二人の力に少しでもなりたいと思う由布子。
まゆが生きることを願い、まゆを見守る兄に宏司を看取った自分を重ねますが、
その願いもむなしく、まゆがこの世を去ってしまいます。
喪失感から自暴自棄になるまゆの兄。
見るに見かねた由布子は、まゆの兄の頬をたたき、目を覚まさせます。
由布子に恥ずかしくない人になろうと決め、新しい目標に向かい始めたまゆの兄。
そんな時、今度は由布子が子どもを庇って事故にあいます。
宏司を亡くして、ただ看護師という夢で自分を支えてきた由布子。
一度は死のうと考えますが、まゆの兄に支えられ、生きる希望を見つけます。
心に宏司を大切に思いながら、今を懸命に生きようとする由布子の物語は、
まだこれからも続いていきます。
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星くず まとめ
もがき、苦しみ、それでも生きようとする姿が、
胸に重く、でも命の輝きを見せてくれる作品です。
少し絵が時代を感じさせますが、キラキラした目元が、
生きる人の美しい輝きとマッチしています。
大切なものを失いながらも生きる人と、それを支える人の物語。
感動します。
「星くず」は2巻まで出ていて、完結しています。
この作品は、苦しみながら生きる姿に、感動の涙間違いなしの作品です!
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