河惣益巳先生の「龍鳳」を読みました。
時は20世紀初頭、
革命期の中国・上海にある福州路の治外法権地帯「租界」。
周旋屋に連れてこられた娼館で、
芙丹姐さんに助けらえて働き始めた于娘の欣伶。
逆境を跳ね返し美しくそして賢く成長してゆく、
一人の女性の大河歴史ドラマ!!
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龍鳳のあらすじ
極貧の家に生まれ、
生き延びるために売られてきた欣伶、
悲しくも苦しい状況でありながら
優しい芙丹姐さんに救われ、
おなかいっぱい食べられるだけでも幸せと健気に働きます。
そしていつしか美しく成長し、
働きながら身につけたいくつかの言語を武器に、
聡明さを発揮しながら強く生き抜いていく様が描かれています。
展開はスピーディーでどんどん進んでいくのですが、
そこがまたさくさくと読み進められて丁度良いです。
また歴史に裏打ちされた物語は、
リアリティがあり説得力もあります。
そして作者の画風も、
この時代と場所を描くのに
とてもマッチしているように思います。
芙丹姐さんが売られていく
浙江の大地主・宋大人は、
当時の男尊女卑の社会を表すような
嫌な人物の代表ですが、
登場人物の男性には結構いいヒトも出てきます。
周旋屋の陳さんも
イイ奴とは言い切れませんが
極悪人でもないし、
立恬もあっという間に
殺されてしまうけれど良い人でした。
(後々実は生きていることがわかりますが)
健英は優しいヒトだったけれど
とても弱いヒトでもありました。
そんな感じで皆が
皆悪い男ばかりでもないのですよね。
纏足の歴史は残酷物語です。
これに限らず似たような女性軽視の悪しき習慣は、
他にもいろいろありますが中国には多いような気がしますね。
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龍鳳のネタバレと感想
セイル海運社主の
ハンフリー・セイル・バートンは、
誠実に欣伶に向き合い、
結果真実の愛で二人が結ばれてほっとしました。
この時代に生きて大きく成功した人なので、
それなりに抱えてきたものはあったようですが、
それが欣伶の笑顔や
暖かい食事などによって癒されたという件には、
いつの時代も変わらない
人間の本質を表しているようにも思います。
陳さんの息子(実の息子ではないけれども)
であったルーイも、
密かに欣伶に思いを寄せるいいヤツです。
セイルにはなかなか敵わないので
いつも影ながら欣伶を見守っていますが、
雷日の策略の件ではうまく動いてくれて、
結果万事良い方向へ進んだので、
その後がかなり希望の持てる展開へと
進みそうでわくわくしました。
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龍鳳 まとめ
舞台は日本へも移り、
激動の時代を経て女性が自由を勝ち取っていく過程が、
非常にドラマチックに描かれている興味深い作品に仕上がっています。
「龍鳳」は2巻で完結しています。
「龍鳳」は希望へ向かう歴史大河な作品でした!
「龍鳳」で検索してみて下さい。
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