池辺葵先生の
「繕い裁つ人」を読みました。
この漫画は、一生添い遂げられる洋服を
作り続ける南洋裁店の店主、市江と、
彼女の服を愛してやまない百貨店企画部の藤井が
微妙な距離感を保ちながら関わり合い、
服にまつわる街の人々の思いを描き出した、優しい優しい物語です。
「繕い裁つ人」で検索して下さいね。
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繕い裁つ人 のあらすじ
この漫画の主人公である南市江は、
小さな町で洋裁店を営む店主です。
買ってはすぐ捨てるような服ではなく、
その人が一生添い遂げたいと思えるような服を
作りたいと考えている彼女は、
全てオーダーメイド製でお客様と直接会って
服を作ることを徹底していました。
そんな中、ある日彼女のもとに丸福百貨店、
企画部に所属する藤井という男性がやってきます。
彼女の服に心底惚れている彼は、
彼女が作る服をブランド化してもっと多くの人に
知ってもらいたいと考えていたのですが、
市江はお客様の顔が見えない所で服は作れないと言い、
藤井の提案を頑なに突っぱねます。
最初はそんな市江の態度にムッとしていた藤井でしたが、
市江が相手のことを心底想って、服を作り上げている様を見て
藤井は結局ブランド化を諦め、
客として彼女の服を見守り続けることを決めるのです。
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繕い裁つ人 のネタバレと感想
この漫画には、そんな二人のことを描いた心温まるエピソードが
いくつか収録されているのですが、
私が特に気に入ったエピソードは
お母さんの為に服を作ってあげてほしいと頼みに来た直子ちゃんのお話です。
仕事先でいつも理不尽な言いがかりをつけられて、
お客様に頭をぺこぺこ下げているお母さんの姿を見て、
ちょっとでも助けてあげたいと考えていた直子は、
綺麗に着飾ればお客様になめられることもないと考え、
市江の下を訪ね、お母さんの為に服を作ってほしいと頼み込みます。
そんな直子の発言を受けて、
「いつも華やかなのが美しいとは限らないわ」と
ちょっと冷たい返答をしてしまった市江は、
彼女を怒らせてしまい、
市江自身も自分が本当に伝えたかった事を
伝えられなかったと自分の発言を後悔してしまいます。
最初私は、今まで市江が服を作ることを拒否したシーンは
見たことがなかったので、
このセリフを見た時びっくりしてしまいました。
結局市江は、
「あんな美しい人にはどんな華やかな服も役不足だ」
と伝えたかったことが分かるのですが、
この発言一つ取っても、
市江の服に対するこだわりの深さが伺えるなぁと思いました。
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繕い裁つ人 まとめ
この漫画のメインである藤井と
市江の間には恋愛感情なんて全く存在していないのですが、
まるで夫婦のような絶妙な関係性が、
この漫画の良さを引き立てていると思いました。
「繕い裁つ人」は六巻で完結しています。
この漫画は、普段着ている洋服が急に愛おしく思えてくる漫画でした。
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