雁須磨子先生の
「感覚・ソーダファウンテン」を読みました。
五感にまつわる乙女心を描いた
オムニバスショートストーリーです。
「感覚・ソーダファウンテン」で検索して下さいね。
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感覚・ソーダファウンテンのあらすじ
第一話の「やわらかいパン固いパン」
では“ふれたい”がテーマになっています。
ふれたい、
さわりたい、
感触を確かめたい。
子供のころから
そういうフェチ思考を持っている生駒ユキは、
とある薬局で働く薬剤師です。
彼女に好意を寄せる、
上の階の外来クリニックで働く医師の興津は
ことあるごとに彼女に近づこうと
アプローチをかけますが、
人との接触をなるべく避けたいユキは
さらりとかわし、
興津はおろか同僚にもパーソナルスペースを広めにとり、
自身を守っています。
彼女は子供の頃、
人にベタベタすることで逆に
こわい体験をしています。
それ以来、
人との距離を置くようになったのです
昼休みに一人で
おもちゃのエンドレスプチプチをさわるユキ。
それを見た興津は必死に話しかけます。
「僕の机にいい感じのプチプチがあるから今度それあげるよ」
口説き文句がプチプチ。
可愛い二人ですね~。
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感覚・ソーダファウンテンのネタバレと感想
それをきっかけに興津は
手遊び系のおもちゃをたくさん用意します。
枝豆、肉球、つまようじを上から押すおもちゃ。
その交流の中で、
次第にユキの心にも変化があらわれるのです。
タイトルの「ソーダファウンテン」とは、
ファミレスのドリンクバーにある、
ジュースを注ぐ機械を指すようです。
コックをひねると飲み物があふれ出る、
つまり感覚的なものが何かをきっかけによって
あふれ出すというような意味でしょうか。
秀逸なタイトルですね。
ある日、
ユキは通勤に使っていた自転車を盗まれ、
やむなく電車で通勤します。
人にふれたいユキにとって満員電車は苦痛です。
ふれたいけど、
ふれてはいけない。
気安くべたべたさわることはよくないことなのだと、
ユキの心は葛藤するのです。
そうと知らない興津は、
ユキが満員電車でチカンにあっているのではないかと思い、
自分も同じ電車に乗り込み、
ユキを助けられるようスタンバイします。
電車の中の人混みの中で苦しそうな様子のユキを見た興津は、
思わず手を伸ばします。
その手をとるユキ。
このシーンすごくいいですね。
ふたりの心が通じ合えた瞬間です。
そして、
2人はめでたくお付き合いをすることになったようです。
欲を言えば、
ショートストーリーではなく、
子供の頃にユキがどんなこわい目にあったのかとか、
興津がユキのために手遊び系のおもちゃを買うシーンとか
いろいろ掘り下げて欲しかったですね。
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感覚・ソーダファウンテン まとめ
フェチという言葉は、
エロティシズムな匂いがしますが、
このショートストーリー集は,
もっと軽い感覚で読めると思います。
「感覚・ソーダファウンテン」は
プチキスで9巻まで出ています。
自分の五感も研ぎ澄ませて読みたい、
乙女心満載の作品でした。
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