アキヤマ香先生の
「長閑の庭」を読みました。
地味で全体的に黒っぽく、
“シュバルツさん”というあだ名で呼ばれている元子。
おじいちゃんぐらい年の離れた教授に
ひそかな好意を寄せている彼女ですが…。
これは“恋”なのか？！
…ていうか「恋の定義」って何？！？
「長閑の庭」で検索して下さいね。
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長閑の庭 のあらすじ
朝比奈元子（23）はK大学院ドイツ文学専攻1年生。
背が高く地味でいつも黒い服ばかり着ている彼女の
あだ名はシュバルツ（ドイツ語で“黒”の意）さん。
人付き合いが苦手で周りからも近寄りがたく見られていますが
実は可愛いものが好きだったりします。
そんな彼女がひそかに好意を寄せているお相手は…。
K大学院ドイツ文学の教授・榊郁夫（64）。
著書・訳書も多数あり
のびた背筋にパリッとしたシャツが似合う老紳士…
厳格で常に不機嫌ぽく苦虫を噛み潰したような表情で
学生からは恐れられている存在です。
新入生歓迎の飲み会の席で
あまり場の雰囲気に溶け込めずにいた元子。
その彼女に声を掛け論文を褒めてくれたのが榊教授でした。
実直さが感じられそれでいてキラリと光るユーモアがある…と。
そして「君の日本語は美しい」と言ってくれたのです。
その日から榊教授は元子にとって特別な人になりました。
うーん、
若い時って簡単に恋に堕ちるんですよね～、
なんて思ってしまったり。
榊教授には田中さんという若い男性の助手がいます。
榊教授を慕い研究室に自分の机を置かせてもらっている彼は、
なぜか事あるごとに元子に絡んできます。
その田中さんが噂するんですね～、
元子が榊教授を好きなんじゃないか…と。
元子の数少ない友人である富岡樹里からそれを聞き、
あからさまに動揺する元子。
樹里は元子と同じ専攻の同級生で、
華やかな外見と明るい性格で友人も多い可愛らしい子です。
どうやら誰かに片思い中のご様子…。
元子をシュバちゃんと呼び屈託ない彼女のことを
元子は大好きなんですよね～。
田中さんにシュバルツさんと呼ばれるといつも怒るのにね～。
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長閑の庭 のネタバレと感想
榊教授のことは見てるだけで十分幸せだと思っていた元子。
あるとき田中さんに用事を頼まれて
榊教授の自宅を訪れる機会に恵まれ？ます。
そこで榊教授は随分昔に離婚した独り者だと知る元子。
ささやかな夢であった
“榊教授とお茶を飲む”ということもちょっと叶い
話の流れで自分が好意を寄せていることを口走ってしまったのですが、
榊教授に「君のそれは恋ではないよ」と言われてしまい…。
ではこの気持ちはなんなのか？
“好き”という気持ちにはどれだけの呼び名があるのか？
まるで哲学のようですがそのことを考え続ける元子…。
ある雨の日木から落ちたヒナを行きがかり上助けた榊教授、
その教授を助けようと雨と泥にまみれた元子。
そのときの会話の中で元子は、
教授が今若かったら好きになっていたかわからないと言います。
…ということはただの“嗜好”であって
やはり“恋”とは言えないのではないか…、
結局その答えは出ないのですがわかったことはあるのです。
「教授とお話しするときとても気持ちが楽になります、
私が私のままでいられるんです。」と元子が言うと
「まだまだ人生はわからないものだな」と榊教授は言って…。
元子は母子家庭で、
祖父からいつもしっかりしなさいと言われて育ちました。
田中さんから
「お祖父さんにかけられた“悪い魔法”じゃないの？
別に“らしく”なくたっていいじゃん」
と言われさらに悩みは深まります。
榊教授のことを“人間として好き”という田中さん。
恋する樹里を見ていて
“相手のために己を高められる崇高なもの…それが恋！”
と気づいたかと思えば、
経済学部の幸さんは“恋とはふたりの周りの経済指数を上げるもの”
なんて言うし…。
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長閑の庭 まとめ
“恋の定義”とはなんぞや？！と考えているうちやがて
“嫉妬”という感情にも出会った元子は……！？
「長閑の庭」は4巻まで出ています。
「長閑の庭」はのどかな雰囲気が流れる中にも
恋と嫉妬と羨望と自己嫌悪と…人間模様溢れる作品でした！
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